川の氾濫とその仕組み 〜自然の摂理と私たちの生活〜

🌧️ こんにちは、岐阜県で地域に根ざした中部国際建築株式会社です! 🏠

岐阜県は豊かな自然に恵まれた美しい地域ですが、長良川や木曽川などの大河が流れる土地柄、水害との付き合いも長い歴史があります。近年は気候変動の影響もあり、全国的に豪雨災害が増加傾向にあることをご存知でしょうか?

💦 「なぜ毎年川は氾濫するの?氾濫しない川は作れないの?」

そんな素朴な疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。今回は、私たち岐阜県民にとって身近な「川の氾濫」について、その仕組みと原因を分かりやすく解説していきます。

🌊 結論:川は氾濫するように自然にできている

まず最初に結論からお伝えします。実は川は自然の摂理として「氾濫するようにできている」のです。これから詳しく説明していきますが、氾濫に関する重要なポイントは以下の通りです:

📌 氾濫のポイント

  • 流域面積、川の幅や深さ、傾きなどによって水位の上がり方が違います
  • 川の水位上昇にはどこで雨が降っているかが重要です
  • 雨の降り方によって川が氾濫するかどうかが決まります

🗺️ 流域面積とは?岐阜県の河川を例に

「流域面積」という言葉をご存知でしょうか?これは川に水が集まってくる土地の面積の総和を指します。岐阜県を流れる長良川を例にすると、長良川周辺の山々から降った雨や雪解け水がすべて集まってくる範囲の面積のことです。

山の尾根を境に、尾根の川側に降った雨は川に流れ込み、最終的に海へと注ぎます。一方、尾根の反対側に降った雨は別の川に流れ込みます。このように川には「集水域」が存在し、その面積が大きければ大きいほど、川に流れ込む水の量も多くなります。

🏞️ 岐阜県の川の特徴

岐阜県は飛騨山脈(北アルプス)や木曽山脈など標高の高い山々に囲まれ、日本有数の河川が流れる地域です。

  • 木曽川(流域面積約5,275km²)
  • 長良川(流域面積約1,985km²)
  • 揖斐川(流域面積約1,840km²)

この「木曽三川」と呼ばれる大河川が県内を流れ、豊かな水資源をもたらす一方で、大雨時には水害リスクも高まります。特に木曽川は日本でも有数の大河川で、その流域面積の広さから、上流部の山間地で降った雨が下流域の水位上昇に大きく影響します。

ちなみに、日本最大の流域面積を持つのは利根川(約16,840km²)です。その広大な流域に大雨が降れば、水位上昇は避けられません。

🌧️ 川の水はどのように流れるのか?

川が運べる水の量は「流下能力」と呼ばれ、次の式で表されます:

体積流量 = 断面積 × 流速 (Q = A × V)

つまり、川幅が広く、川が深いほど、より多くの水を流すことができるのです。また、川の傾きも重要な要素です。急勾配の短い川ほど水の流れは速くなりますが、一方で急激な水位上昇も起こりやすくなります。

🏔️ 岐阜県の山間部と平野部の違い

岐阜県の北部、飛騨地方の川は急勾配で短いため、大雨が降ると非常に早く水位が上昇します。一方、岐阜県南部の濃尾平野を流れる川は比較的緩やかですが、上流からの大量の水が集まると、広範囲に氾濫する危険性があります。

例えば、飛騨高山の宮川は山間の急流河川で、短時間の集中豪雨で一気に水位が上昇することがあります。対照的に、大垣市付近を流れる揖斐川は勾配が緩やかですが、上流部の山間地で大雨が降ると、時間差で水位が上昇し、広範囲に影響が出ることがあります。

🚨 川はなぜ氾濫するのか?

川の氾濫は、単純に言えば「流域に降った雨の量が、川の流下能力を超えたとき」に起こります。ここで重要なのは、どこで雨が降っているかです。

例えば、長良川の流域内で大雨が降れば水位は上昇しますが、流域外で大雨が降っても長良川の水位には直接影響しません。また、雨の降り方(強さや継続時間)によっても氾濫リスクは変わってきます。

⛈️ 集中豪雨と川の氾濫

例えば、流域面積の狭い小さな川でも、その流域に集中豪雨が発生すれば、川幅が狭く急勾配であるほど水位の上昇は早く、氾濫の可能性が高まります。岐阜県内でも、2018年7月の西日本豪雨では、関市上之保地区など山間部の小河川が氾濫し、甚大な被害をもたらしました。

一方、広い流域を持つ大きな川では、流域全体に長時間にわたって降り続く雨によって水位が徐々に上昇し、最終的に氾濫することがあります。2020年7月の豪雨では、飛騨川の水位が上昇し、各地で浸水被害が発生しました。

📊 「確率年」で考える河川設計

河川工事や堤防の設計において重要な概念が「確率年(再現期間)」です。これは、ある規模の洪水がどれくらいの頻度で発生するかを表す指標です。

例えば、過去100年間の雨量データがあり、その中で時間雨量50mmを超える雨が20回発生したとすると、平均して5年に1回の頻度で50mmを超える雨が降っていることになります。この「5年」が再現期間(確率年)です。

🏗️ 岐阜県の河川整備と確率年

岐阜県内の主要河川では、河川の重要度や周辺の人口密度などに応じて、様々な確率年を基準とした河川整備が行われています:

  • 木曽川下流域:150年〜200年に1度の大雨に対応
  • 長良川中流域:100年に1度の大雨に対応
  • 県管理の中小河川:30年〜50年に1度の大雨に対応
  • 市町村管理の小河川:5年〜10年に1度の大雨に対応

確率年が長ければ長いほど、より稀にしか発生しない大雨にも対応できる設計となりますが、その分、整備にかかるコストも膨大になります。

確率年と最大降水量の関係(例)

  • 確率年10年の最大降水量:300mm
  • 確率年50年の最大降水量:700mm
  • 確率年100年の最大降水量:800mm
  • 確率年200年の最大降水量:1,400mm
  • 確率年300年の最大降水量:1,500mm

このように、確率年が長くなるほど、想定される最大降水量も増加します。しかし、どれだけ確率年を長く設定しても、それを超える雨が降る可能性は常に存在します。

❓ 氾濫しない川は作れないのか?

ここまでの説明で、なぜ川が氾濫するのかがお分かりいただけたと思います。では、「氾濫しない完璧な川」は作れないのでしょうか?

理論上は、全国の河川の堤防を10m以上高くするなど、極端な対策を講じれば「氾濫しにくい川」を作ることは可能かもしれません。しかし、そのための工事費用と維持管理費は天文学的な数字になり、現実的ではありません。

また、仮に過去100年間の統計から「100年に1度の大雨でも氾濫しない川」を設計したとしても、それは単に「確率年100年規模の雨までは溢れないが、それ以上の雨が降れば溢れる可能性がある」ということを意味するだけです。

🌍 気候変動と想定外の雨

さらに近年では、気候変動の影響で従来の統計では予測できないような「想定外」の豪雨が増加しています。2018年の西日本豪雨や2019年の台風19号による被害は、多くの地域で「観測史上最大」の雨量を記録しました。

つまり、過去の統計だけに基づいた河川設計では追いつかない状況が生まれているのです。現状では、完全に「氾濫しない川」を作ることは不可能と言わざるを得ません。

🏡 岐阜県民として知っておきたい水害対策

私たち中部国際建築株式会社は、地域に密着した住宅建設を手がける企業として、岐阜県民の皆様の安全な暮らしを第一に考えています。水害リスクを完全になくすことはできなくても、被害を最小限に抑えるための対策はあります。

🔍 ハザードマップを確認する

岐阜県内の各市町村では、河川氾濫時の浸水想定区域を示したハザードマップを公開しています。ご自宅やお勤め先がどのようなリスクエリアにあるのか、事前に確認しておくことが大切です。

🏠 住宅の水害対策

新築を検討されている方は、地盤の高さや過去の浸水実績を考慮した土地選びが重要です。既存住宅では、浸水対策として以下のような工夫が有効です:

  • 家屋の周りに止水板や土のうを準備する
  • 電気設備を高い位置に設置する
  • 1階の床を高くする(ピロティ形式など)
  • 耐水性の高い建材を使用する

当社では、岐阜県の地形や気候特性を熟知した上で、水害に強い住宅づくりのご提案も行っています。

⚠️ 早めの避難が命を守る

どんなに対策を施しても、大規模な水害時には「逃げる」という選択が最も重要です。気象情報や河川の水位情報に注意し、避難勧告や避難指示が出たら、速やかに安全な場所へ避難しましょう。

📚 まとめ:川と共に生きる知恵

岐阜県は古くから清流と共に発展してきた地域です。長良川の鵜飼いや木曽川の木材輸送など、川の恵みを活かした文化や産業が育まれてきました。一方で、幾度となく水害に見舞われながらも、先人たちは川と共存する知恵を培ってきました。

川が氾濫するのは、単純に「川の流下能力を超える量の雨水が流れ込む」からです。これは自然の摂理であり、完全に防ぐことはできません。しかし、私たちにできることは、川の仕組みを理解し、リスクを認識した上で、適切な対策を講じることです。

 


💬 コラム:岐阜県の過去の大規模水害

岐阜県は豊かな水資源に恵まれている反面、過去に何度も大きな水害に見舞われてきました。

伊勢湾台風(1959年) 昭和34年9月に発生した伊勢湾台風は、岐阜県南部を中心に甚大な被害をもたらしました。特に長良川、木曽川、揖斐川の下流域では大規模な氾濫が発生し、多くの犠牲者が出ました。この災害を機に、水防法の改正や河川整備計画の見直しが行われました。

東海豪雨(2000年) 平成12年9月の集中豪雨では、岐阜県南部から愛知県にかけての広い範囲で河川の氾濫や内水氾濫が発生しました。県内の多くの地点で観測史上最大の雨量を記録し、特に多治見市では一時間に100mmを超える猛烈な雨が降りました。

平成16年台風23号(2004年) 平成16年10月の台風23号では、県内各地で河川の氾濫や土砂災害が発生しました。特に長良川上流域や飛騨地方の河川では急激な水位上昇が見られ、多くの家屋が浸水被害に遭いました。

これらの過去の災害経験から、私たちは「川は必ず氾濫する」という前提に立った防災・減災の考え方を学んできました。完全に水害を防ぐことはできなくても、その被害を最小限に抑えるための取り組みを続けていくことが大切です。


💡 知っていますか?輪中(わじゅう)の知恵

岐阜県南部の木曽三川(木曽川・長良川・揖斐川)が流れる地域では、古くから「輪中(わじゅう)」と呼ばれる独特の水害対策が発達してきました。輪中とは、集落の周囲を堤防で囲み、水害から集落を守るシステムです。

輪中地域の人々は、「水屋(みずや)」と呼ばれる水害時の避難場所を各家に設けたり、「水塚(みずつか)」と呼ばれる高台を築いたりして、水害と共存する知恵を育んできました。これらの伝統的な防災の知恵は、現代の水害対策にも活かされています。

当社が手がける住宅の中にも、こうした先人の知恵を現代的に解釈し、取り入れた設計を行っています。例えば、1階をピロティ構造にして居住スペースを2階以上に設けたり、水害時にも電気設備が使えるよう配線を高い位置に設置するなどの工夫です。

岐阜の風土に根ざした住まいづくりのヒントは、意外と身近な歴史の中にあるのかもしれません。

 

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